日本の国民食として昔から愛されている食べ物といえば、 「そば」。
しかし、そのルーツともいわれる 「そばがき」を食べたことがある方は多くないようです。
普段の食生活ではなじみの少ないそばがきですが、近年健康食として注目を浴びはじめているんですよ。
そこで今回は、そばがきのおすすめの食べ方や作り方、どんな味なの?といった疑問や栄養、効能について紹介したいと思います。
目次
そばがきとは
そばがきとは、そば粉を使った料理で、鎌倉時代には既に存在していたといわれています。
私たちがイメージする麺状のそばとは異なり、見た目はお団子のような形をしているのが最大の特徴。
そば粉に熱湯や水を加えてかき混ぜ、粘りを出して塊状にしたら、そばつゆなどにつけて食べます。
そば処で有名な信州などでは、昔からおやつとして親しまれていたそうですよ。
古くは縄文時代から食べられていたというそば料理ですが、現在の麺状のそばが広まり定着したのは江戸時代半ば以降といわれています。
それまでの長い期間は、そばがきのような別の料理法で食べられてきたんです。
ちょっと意外ですよね。
例えばうなぎの蒲焼きも、かつては身を開かずそのままの状態で串刺しにして食べていたそうです。
今当たり前に食べている料理も、いずれ全く違う形に変貌するかもしれませんね。
そばがきの食べ方は?
現代では、お蕎麦屋さんのお品書きに名を連ね、お酒のつまみとして食べられることが多いそばがき。
ここでは、スタンダードな食べ方から、ちょっとユニークな食べ方まで、ご家庭で楽しめるおすすめのそばがきの食べ方を紹介したいと思います。
そばつゆや醤油につけて「おつまみ」・そばがきのおすすめの食べ方
そばがきの最もスタンダードな食べ方で、箸で一口大に切って、濃い目のそばつゆや醤油につけて食べます。
薬味にわさび、ねぎ、大根おろし、おかかなどを入れるのもおすすめ。
これは麺のそばを楽しむ時も一緒ですね。
そばがきだと麺のように伸びてしまわないので、ゆっくりお酒を飲みたい方にぴったりのつまみになるんです。
鍋に入れて「そばがき鍋」・そばがきのおすすめの食べ方
鍋や汁物に入れて、すいとん風に食べても美味しいですよ。
なめらかでもっちりとした食感が味わえます。
小麦粉のすいとんよりもヘルシーで、ダイエットにもぴったり。
にんじんやごぼう、長ねぎなどたっぷりの具材とともに楽しんでくださいね。
こんがり揚げて「揚げそばがき」・そばがきのおすすめの食べ方
そばがきを180℃の油で揚げて、そばつゆなどにつけて食べます。
表面はカリッと、中はフワッとした食感で、そばの香りが口いっぱいに広がるんですよ。
汁物の具として入れるのもおすすめ。
野菜やきのこの入ったあんをかけても美味しいですよ。
あんこや黒蜜をかけて「スイーツ」に・そばがきのおすすめの食べ方
そばがきは、おかずとしてだけでなく、モチモチとした新食感のデザートとしても美味しく食べられちゃうんですよ。
あんこやみたらしあん、きなこ砂糖や黒蜜をかければお団子風に。
お汁粉の中に入れて食べるのもおすすめです。
そばがきの美味しい作り方
そばがきの作り方には、熱湯を加えて作る 「椀がき」と、水を使って作る 「鍋がき」の2通りあります。
それぞれの美味しい作り方を紹介しますね。
椀がきの作り方
そば粉と熱湯のみで手軽に作れる「椀がき」。
行程が少ない分、そばの香りがダイレクトに楽しめます。
・そば粉・・50g
・熱湯・・100cc
・お椀やどんぶりなどの耐熱容器
・泡立て器または箸
・木べらまたはスプーン
■ 作り方 ■
お椀やどんぶりなどにそば粉を入れ、お湯を少しずつ足しながら、泡立て器や箸でだまにならないよう良くかき混ぜます。
耳たぶくらいの固さになったら、木べらやスプーンで成形して完成です。
大きめのお椀を使うとかき混ぜやすいですよ。
熱湯は少しずつ足せば、だまになりにくいです。
熱湯の量を調節して、お好みの固さに仕上げてくださいね。
鍋がきの作り方
鍋を使って加熱調理する「鍋がき」。
なめらかでふわふわな仕上がりになりますよ。
・そば粉・・50g
・水・・150cc
・鍋
・泡立て器または箸
・木べらまたはスプーン
■ 作り方 ■
鍋にそば粉と水を入れ、泡立て器などで混ぜます。
中火にかけてかき混ぜ、外側が固まってきたら弱火にしてなめらかになるまで混ぜ続けます。
お好みの固さになったら完成です。
鍋がきだと火にかける時間がある分、そばの香りが飛んでしまうんですが、くせのないふわふわな食感を楽しめますよ。
「そばがき」と「すいとん」の違い
そばがきと作り方や見た目、食べ方がよく似ているものに、 「すいとん」という料理があります。
「すいとん」とは、小麦粉に水を加え、よくかき混ぜて粘りを出して塊状にしたもの。
これをお湯で茹で、汁物の具材にします。
そばがきの材料はそば粉ですが、すいとんは小麦粉でできているんですね。
どちらもデンプン質なので、加熱して混ぜると粘りが出て、モチモチとした食感が楽しめます。
が、そば特有の風味や香りは、そばがきでしか味わえない美味しさなんですよ。
そばがきの味はまずい?みんなの意見
食べたことのない方には気になるそばがきの味。
味の評価は好みが分かれるようです。
「まずい」という方の意見をまとめると、
・粉っぽくて、そば粉をそのまま食べているみたい
・ぼそぼそモサモサしていて、1度食べれば十分
・素朴な味で、ものすごく美味しい!というものではない
なめらかな喉ごしの麺のそばをイメージして食べると、その食感の違いに違和感を覚えるかもしれません。
「美味しい」という方の意見は、
・ふわふわモチモチな食感がたまらない
・麺で食べるよりもそばの香りが強く感じられる
・まずいと思っていたけれど、年を重ねて美味しいと思うようになった
「粉っぽい、ぼそぼその食感」がまずいと思う意見に対し、「モチモチの食感」が美味しいという意見があります。
この食感の違いは、そばがきの出来の違いのようです。
作り方はとてもシンプルなそばがきですが、混ぜ方や水分が足りないとだまになったり、ぼそぼそになってしまうんです。
また、そば粉の良し悪しも味に大きな影響を与えます。
お店によってもかなり仕上がりが異なるんですよ。
一度食べたけれどまずかった、という方も、もう一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
そばがきの栄養や効能
昔から体に良いといわれているそばですが、どのような栄養や効能があるのでしょうか?
また、麺ではなく、そばがきとして食べることで得られる効能はあるのでしょうか?
良質なたんぱく質・必須アミノ酸で健康を維持
そばには、たんぱく質の中でも体内で作り出すことができない 必須アミノ酸がバランス良く含まれています。
必須アミノ酸は筋肉や血液、髪の毛など、体を作る大事な材料となります。
子どもの成長促進や、カルシウムの吸収、筋肉強化に効果的です。
ビタミンB1、B2で疲労回復・キレイな肌に
そば粉には、精白米の4倍もの ビタミンB1やB2が含まれています。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、体を活発に動かしてくれます。
疲労回復やイライラ解消にも効果的。
ビタミンB2には皮膚や粘膜の細胞を再生させ、キレイな肌を保つ働きがあります。
脂肪をエネルギーに変える働きもあり、ダイエットにも欠かせない栄養素です。
食物繊維で便秘解消
そばに含まれている 食物繊維は、腸内環境を整える働きがあり、便秘解消に効果的。
便秘が解消されることで、ダイエットや肌荒れ対策も期待できるんですよ。
また、コレステロール値を下げて生活習慣病予防の助けにもなってくれます。
ポリフェノールの一種「ルチン」で老化予防
ルチンには抗酸化作用があり、体の酸化=老化を予防する効能があります。
肌や髪を美しく保ってくれるんですよ。
毛細血管を強くして血液をサラサラにする働きもあり、高血圧や動脈硬化予防にも効果的。
アンチエイジングや生活習慣病予防に期待大のルチンですが、水溶性なので茹でると茹で汁に溶け出してしまうんです。
しかし、そば粉をかき混ぜて作るそばがきなら、ルチンが逃げ出すことがありません。
そば粉の持つ栄養をそのまま全て摂り入れられるんですよ。
簡単に食べられるそばがき
そばがきはシンプルでありながら実は奥が深く、作り方にかなりのコツと力が必要です。
特に「椀がき」で作る場合は、お湯が熱いうちにまんべんなくひたすらかき混ぜ続けなくてはなりません。
それでもだまになったり、溶け残りができてしまうことも。
こちらのそばがきは、そば粉を水で溶いてレンジで温めるだけで失敗なく作れちゃう優れもの。
石臼挽きのそば粉で、そばの風味がしっかり味わえます。
とっても簡単に作れて失敗なし、調理後の洗い物もなしで手軽にそばがきが楽しめますよ。
そばがきを手作りするなら新そばを
そばがきは、そば粉の味がダイレクトに楽しめる料理。
せっかく手作りするなら、そば粉にこだわりたいですよね。
こちらは、そばの栽培に適した土地・上州(群馬県)で作られたそば粉。
収穫期の秋にとれた新そばで、石臼挽き製法で作られており、そばの風味と香りがしっかり味わえますよ。
たっぷり1kg入っているのでそばがきの他にも、そば粉クレープや手打ちそばに挑戦してみるのもおすすめです。
ぜひ試してみてくださいね。
そばがきの食べ方のまとめ
ここまで、そばがきの美味しい食べ方や作り方、気になる味についてなどを紹介してきました。
栄養満点で、そばならではの風味と、モチモチの食感が美味しいそばがき。
いろんなアレンジで楽しんでみてくださいね。
以上、「そばがきの食べ方や作り方のレシピ!まずい味なのかや栄養や効能は?」について紹介しました。