お正月が過ぎると「節分の日には恵方巻き」「今年の恵方は〇〇〇」というテレビCMが流れ、今年はどこの恵方巻きにしようか考える方も多いですよね。
東海地方出身の私は数年前までは「恵方巻き」の存在自体を知らなかったですし、節分と言えば豆まきしかしていませんでした。
ところが今では関東を始め全国で恵方巻きの名は知られていて、その知名度はここ数年で一気にアップ。
一体いつから関東地方で恵方巻きの行事が行われるようになったのでしょうか?
恵方巻きは関東でいつから定着?
2015年の統計によると発祥の地である大阪で『恵方巻きを今年も食べる』と答えた割合は50%、関東地方は約30%となっています。
関東は関西には及ばないものの、かなり普及しているのが分かりますね。
恵方巻きがこれほどまでに関東にも定着し知名度を上げたのはいつからなんでしょうか?
過去にさかのぼって恵方巻きが市民権を得るまでを調べていきたいと思います。
のり問屋が恵方巻き普及作戦
恵方巻きの発祥や起源は諸説あり、一説によると大阪の花街を中心に行われていた文化だと言われています。
戦後の混乱でこの文化自体が廃れてしまったのですが、土用の丑の日に鰻を食べる習慣に対抗して大阪の寿司組合が「節分には丸かぶり寿司を食べよう」と広めようとしました。
さらにその後、大阪のり問屋組合も参加し飛行機からビラをまくなど派手なパフォーマンスをして普及に努めていたようです。
バレンタインにチョコレートを渡す習慣を製菓業界が広めたように、恵方巻きはのり問屋や寿司組合が食べる風習を仕掛けようとしていたんですね。
以外にも歴史が浅くてびっくりです。
確かに2月は寿司業界にとっては閑散期にあたります。
私は以前、某100円の回転ずしチェーンで働いていた経験があるのですが、年末年始はお寿司を食べる機会が多く猫の手も借りたいくらいの忙しさ。
お正月をすぎ2月に入ると客足が一気に減ったのを記憶しています。
寒い季節に冷えた食べ物はあまり好まないですし、イベントが無いからでしょうね。
そこで寿司と海苔業界が目を付けたのが「丸かぶり寿司」だったわけです。
ただこの時には全国的には広まらず関東にはほとんど普及しませんでした。
コンビニが関東へ展開
時が流れ昭和から平成へ。
次に恵方巻きを商売にしようと考えたのがセブンイレブンです。
1989年に広島のセブンイレブンを担当していたある社員が恵方巻きの存在を知り、面白いということで「節分に恵方巻きを食べると縁起がいい」と仕掛け恵方巻きの販売を始めました。
初年度が好調だったからか年々販売エリアが拡大され1995年にはへ中国・関西・九州へ展開。
1998年には全国で販売開始となりそれに続いて、コンビニ各社やスーパー、百貨店も恵方巻き商戦に参入し、一気に全国的に知られるようになったわけです。
もともとあった風習をコンビニが発信して全国規模にブームを巻き起こすとは、いかにコンビニが生活に根付いているのかが分かりますね。
約13000人を対象に行ったインターネットの調査では年々、恵方巻きの知名度が上がっているのが分かります。
●2005年 83.6%
●2006年 89.7%
●2007年 92.8%
●2008年 94.5%
●2009年 95.2%
●2010年 96.1%
●2011年 95.9%
●2012年 96.5%
セブンが全国展開してからたったの7年ですでに83.6%の人が恵方巻きを知っていると答えています。
2004年に電通消費者研究センターによって発表されたネット調査「2004年上半期の話題商品」の中に恵方巻きがランクインされているので、この年にはすでに全国的に知られるようになったと考えられますね。
そして2010年の調査では、恵方巻きを食べた人の割合が豆まきをする人を上回るという結果に!
新しい風習が全国の一般家庭に受け入れられているのがこのデータからもよくわかりますね。
子供がいない家庭だと豆まきをするのも億劫になりますし、まいた豆を拾う手間がかかるとか近年の住宅事情もあるのかもしれません。
何よりコンビニで買ってきてすぐに食べられる恵方巻きが家庭に浸透するのに時間はかからなかったと言えます。
コンビニ各社や小売業界の作戦勝ちと言わざるを得ませんね。
最近では恵方ロールケーキや恵方トルティーヤなど変わり種商品も出てきています。
家族でワイワイ楽しむなら手作り恵方巻きもおすすめ。
作り方が分かりやすい動画があったので、こちらを見ながら挑戦してみてもいいですね。
■恵方巻き簡単レシピ
恵方巻きを食べて縁起を担いでくださいね。
以上、「恵方巻きは関東でいつから行われるようになったの?」について紹介しました。
【関連情報】
⇒恵方巻き・喋らない理由には驚きのルーツがあった!
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