秋に咲く花の中でも、赤くて美しい花を咲かせるのが 彼岸花。
田んぼのあぜ道やお墓などでよく見かける花ですが、華奢で見た目はとても美しいです。
その見た目とは反対に昔から彼岸花は不吉で縁起が悪いと言われ、多くの人に嫌われている花でもあります。
しかも彼岸花には 毒があるとか・・・
彼岸花はどうして不吉だと言われているのでしょうか?そして彼岸花の毒は子供や犬に危険なものなのでしょうか?
彼岸花について詳しく調べました。
目次
彼岸は死を連想させる言葉
彼岸花の咲く時期は、その名前の示すとおり 彼岸の時期です。
彼岸は1年のうちに春と秋の2回あり、彼岸花の咲く時期はちょうど秋の彼岸の時期とぴったり当てはまります。
秋の彼岸は秋分の日の真ん中にした1週間を指しますが秋分の日といえば太陽が真東から昇って真西に沈む日ですよね。
仏教によりますと、東は生きている人間のいるこの世である「 此岸」(しがん)、そして西は三途の川を超えた先にあるあの世が「 彼岸」です。
真東から太陽がのぼって真西に沈む秋分の日、そして春分の日前後は、この世とあの世が一番近づくときとされ、多くの方がお墓参りに訪れます。
この世とあの世が一番近い時、ということで彼岸は死を近く感じる時期であり 彼岸という言葉は死を連想させます。
彼岸花は不吉で縁起が悪い理由は有毒だから
彼岸花が不吉で縁起が悪いといわれている理由は、ただ彼岸に咲くからだけではありません。
なんと 彼岸花の球根には量によっては致死量に達してしまうほどの毒があるのです。
彼岸花の毒は、根から茎、花とすべての部分に含まれており、その中でも 球根に最も多くの毒が含まれているのだそうです。
その毒は リコリンなどのアルカロイドという種類。
アルカロイドを摂取すると、人は嘔吐、下痢、呼吸困難に陥り、場合によっては死亡することもあるそうです。
根にも茎にも、そして花にも毒があると聞くと怖いですよね。
毒があることを知ってしまうとうっかりであっても彼岸花には近づきたくはありませんから、 彼岸花を見ただけでも不吉だとか、縁起が悪いとか、言われるのにも納得です。
彼岸花の毒の致死量は?子供や犬が触ったり食べるのは危険?
毒があると聞くと、触っただけでも死んでしまうのでは?と不安になりますよね。
彼岸花の毒である リコリンの致死量を調べたところ、アルカロイドの中ではそれほど毒性が強くないことがわかりました。
リコリンの致死量は10gです。
彼岸花の鱗茎には0.5mg/g、生葉の中には0.3mg/g、一番リコリンが多いとされている球根には1つあたり15mgのリコリンが入っています。
致死量は10gですから、よほど多くの彼岸花を摂取しなければ、彼岸花の毒で死ぬことはないでしょう。
子供も犬もちょっと触ったぐらいでは彼岸花の毒に影響を受けることはありません。
でも小さい子供はなんでも口に入れようとしますし、犬は球根を間違えてかじってしまうこともあるでしょう。
きれいな花ですから、子供も犬も毒があるとは思わずに近づいていってしまうかもしれません。
死ぬまでは至らないにしても、毒が口に入って嘔吐や下痢などの症状が出てしまったら大変です。
万が一のことを考えて、子供には彼岸花の写真を見せて「この花は毒があるから近付かないでね」と言い聞かせ、犬はうっかり球根をかじらないように、彼岸花の生えている近くを通らないようにしましょう。
白い彼岸花の花言葉
不吉で縁起が悪いと言われている花なので、さぞ花言葉も怖い言葉なのでは?と思う人が多いでしょうが、 彼岸花の花言葉は怖いものではありません。
墓地に植えられてことが多いことから、「 悲しき思い出」という花言葉もありますが、悲しい花言葉ばかりではなく「 独立」「 情熱」という言葉もあります。
彼岸花と言えば赤をイメージする方が多いですが、赤ばかりではなく、彼岸花には白や黄色もあります。
赤の彼岸花は「情熱」や「思うのはあなた一人」
白の彼岸花は「また会う日を楽しみに」
黄色の彼岸花は「追想」「深い思いやりの心」
色によっても花言葉が違ってくるんですね。
彼岸花はまさに「きれいな花には毒がある」そのもの
赤くて繊細は美しさを放つ彼岸花はとても美しい花なのに、毒があるなんて残念ですね。
まさに「きれいな花には毒がある」ということでしょう。
小さな子供は毒があるかどうかなんて考えませんから、「きれい!」と言って近づいてうっかり口に入れてしまうかも。
小さなお子様を持つお母さんは十分に気をつけてあげてくださいね。
以上、「彼岸花は不吉で縁起が悪いと言われる理由は?白い彼岸花の花言葉も!」についてご紹介しました。