全国各地には奇祭と呼ばれる祭りが色々ありますが、今回紹介する福野夜高祭りもその奇祭と呼ぶにふさわしいお祭りではないでしょうか。
開催されるのは北陸地方富山県。
富山県は日本海を望む蜃気楼が有名な富山湾から、立山連邦を望む岐阜県側までと自然豊かな地域です。
そんな県であるからこそ生まれ育くまれてきた、地方ならではの奇祭が福野夜高祭り。
今回は2017年の福野夜高祭の日程やけんか行燈について紹介していきたいと思います。
福野夜高祭りとは
福野夜高祭りの起源は江戸時代に初期ごろまで遡ります。
こちらには有名な「出町のけやき」と呼ばれる御神木のような存在の木がありました。
この木の西側には中村川という川が流れていて、けやきが川を行きかう人々を見守っていたそうです。
1649年、この辺りを杉木村二郎兵衛と言う当時の明主が杉木新町としてこの辺りを整備していき、もともとお米が豊富な地帯であったので段々とその村の人口も増えていきました。
人口が増えるとういうことは、ゆくゆくは墓地も必要になり当時から崇められていた大けやき周辺が墓地になります。
その後、この大けやきがこの村の氏神様となり、今回の主役である福野神社の御神体となったのです。
冒頭でも触れたように、富山県は自然豊かな恵みの多い県。
そんな土地柄からか、昔から田んぼでの稲作りが盛んに行われてきています。
富山平野には田んぼの風景が広がりその中に家が建っている風景が見られます。
その家の庭には防風林も植えられている程。
立山連邦からの吹き下ろしの風が平野に降りてくるだからだとも言われていますが、一方で豊富な水資源にも恵まれている為、昔から平野では稲作りが盛んに行われてきているのです。
この福野夜高祭りは五穀豊穣を願って初められたお祭りと言われています。
その発展形が現代の行燈による夜高祭りなのですが、最初は行燈を灯さずに、神様にその年の豊作をお願いする行事でした。
時代が進むにつれ行燈山車が各町内で作り出され、今に至るようになります。
福野夜高祭りの日程
福野夜高祭りは毎年5月1日と2日に行われます。
その日程の由来は、ゴールデンウイークだからではありません。
昔から5月1日は「やすんごとの日」、現代語に直すと植え付け初めの日とされているからです。
この日に盛大なお祭りを行う事には意味があるんですね。
■日程:毎年5月1日~2日
■住所:富山県南砺市福野(福野中心市街地)
■問合せ先:0763-22-8700 福野観光協会
会場へのアクセス方法
車の場合
会場へのアクセスですが、車でお越しの方は東海北陸自動車道南砺スマートインターチェンジが一番便利。
そこから約30分ほどで会場周辺に着く事が出来ます。
周辺には案内看板、駐車場(約300台)も設置されています。
電車の場合
【東京方面から】
鉄道利用の場合は東京方面からだと開通したばかりの北陸新幹線が断トツ便利。
北陸新幹線新高岡駅からJR城端線に乗り換え福野駅に。(約2時間10分)
【大阪方面から】
大阪方面からだと、北陸本線に乗って金沢駅から高岡駅に。
そのまま乗り換えで福野駅に到着します。(約3時間20分)
やはり新幹線には勝てませんが、アクセスも便利になり関西方面からの観光客も増えています。
夜高行燈とけんか行燈は必見
さて、ここからはいよいよ祭りの中身を紹介していきましょう。
メインは2日の夜23時からです。
1日目は奉納などが主な行事で、名物のけんか行燈(引き合い)は見られません。
そして夜が遅いのもこのお祭りの特徴。
一番良いのは2日目から3日目にかけて宿泊すると祭りを思う存分楽しむことができるので、泊りがてら楽しみたいですね。
けんか行燈が見どころだけに、この祭りの主役はこの行燈たち。
この辺りの各町内が毎年こぞって行燈の山車を繰り広げます。
ディスニーランドのエレクトカルパレード並の華やかさがありますよ。
■福野夜高祭2016『引き合い』
けんか祭りと言われているように、行燈と行燈がぶつかり合いをします。
相撲の立会のように両者、各自治会の代表の合図の笛で一斉にぶつかる様子は大迫力!
けんか燈籠はルール無用。
サッカーみたいな審判もいなければ、相撲のような行司さんもいません。
ただひとつ、押された方の行燈が負け。
せっかくきれいに作った行燈が壊れたりもしますが、その様子もさながらお祭りの会場が盛り上がる要素となり一気にヒートアップします。
どんな技を使っても良いので、とにかく押します。
豪華絢爛な行燈を壊す理由は、神明社の神様は女性で燈籠が壊れれば壊れるほど喜ぶと言われているからなんですよ。
地上から約5〜6mの高さで、行燈を直接手や足を使って壊し、激しい空中戦が繰り広げられます。
そして、決着がついた時点でけんか燈籠は終了。
喧嘩が終われば勝っても負けて恨みっこなし、お互いの健闘をたたえ合い今年一年の豊作を祈願。
これが夜中の1時過ぎまで続き、福野夜高祭りは大盛り上がりしますよ。
奇祭・福野夜高祭を楽しもう!
行燈の山車を見るだけでも勇壮なのに、さらにその行燈同士をぶつけあい壊し合いお互いの健闘をたたえ合うとは!
このけんか行燈がこのお祭りの醍醐味であり、奇祭であると言われる理由ではないでしょうか。
今年のゴールデンウィークは福野夜高祭りへ出掛けてみてはいかがでしょうか?
以上、「福野夜高祭り2017の日程は?けんか行燈は必見!」について紹介していきました。
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