夏から秋にかけて見かける、トンボ。
トンボの中でも縁起のいい「神様トンボ」というのをご存知でしょうか。
神様トンボはどんなトンボで、どんな意味があるのでしょうか。
またなぜ神様トンボは縁起がいいのか、というのも気になるところ。
今回は神様トンボの正体と、そのスピリチュアルな意味について紹介します。
神様トンボとは?
神様トンボの正体はハグロトンボ
神様トンボとは身体も羽根も黒い「ハグロトンボ」というトンボの一種です。
・ トンボ目イトトンボ科
・ 大きさ 53~68mm程度
・ アオハダトンボによく似ている
線が細く、ふわふわと飛ぶのが特徴。
お腹が鮮やかなエメラルドブルーなのがオス、お腹も真っ黒なのがメスです。
地域によってはイトトンボやカワトンボ、カゲロウトンボを「神様トンボ」と呼ぶそうです。
神様トンボが現れる時期や生息地
神様トンボは 7月の終わりから8月のお盆のころによく見られます。
本州、四国、九州、屋久島など日本国内に広く分布しています。
ヨシや、エビモ、バイカモなどの植物が茂る、ゆるやかな流れの川の近くに多く生息。
他のトンボのようにホバリングしたり、素早く飛んだりはせず、チョウのように優雅に飛ぶのが特徴です。
神様トンボのスピリチュアルな意味は?
神様トンボのスピリチュアルな意味は羽根の動きに関係している
ハグロトンボは何故神様トンボと呼ばれるのでしょうか。
そこには ハグロトンボの動きが関係しています。
ハグロトンボは、羽根を閉じた状態からゆっくりと羽根を開き、開き切った状態でもう一度羽根を閉じ切ります。
その動作が人が「手を合わせる」祈りの動きに似ているため、「神様トンボ」と呼ばれ、縁起のいい虫として認識されるようになりました。
黒いその姿も神秘的に見えるという理由から、「神様トンボ」という別名が広まっていったようです。
また、ハグロトンボは他のトンボより動きがゆるやかという特徴があります。
そのため子供が捕まえやすく、むやみに捕獲し、殺さないように「神様トンボ」と呼んだという説もあるんだとか。
番外編!色別のトンボのスピリチュアルな意味
神様トンボ以外にもスピリチュアルな意味を持ったトンボがいます。
赤トンボ、青トンボと色によってそのスピリチュアルな意味が変わくるようです。
赤トンボは「神様の使い」と言われています。
地域によっては「仏様の使い」とも呼ばれており、いずれにしても神様トンボと同様にむやみに殺生してはいけない、神聖な存在とされています。
また赤トンボは前にしか進まないので、「勝ち虫」の異名も。
青は結婚式で花嫁が持っていると縁起がいいと言われるように、 幸運の色、幸せの象徴。
青トンボも幸せの象徴として認識されています。
神様トンボを見つけたらそっとしておく
神様トンボを見つけたら、どうすればいいのでしょうか。
むやみに捕獲したり、殺したりしてはいけません。
神様トンボは縁起のいい虫です。
見つけただけでラッキーですので、遠くから見守り、そのままそっとしておいてあげましょう。
神様トンボは縁起がいい?
日本におけるトンボは「勝ち虫」
トンボは後退しない虫なので、古くは戦国時代から「 勝ち虫」と呼ばれ、縁起のいい虫として知られています。
戦に勝つためにトンボをモチーフにした戦衣装や小物を身につけていた武将も数多くいたとのこと。
加賀百万石の祖と言われる前田利家や、徳川家康の忠臣・本多忠勝が実際に甲冑や兜にトンボをあしらっていたのは有名な話です。
また、トンボは田畑を荒らす害虫を捕食する益虫としての面もあり、五穀豊穣を願う象徴「穀霊の象徴」として大変縁起がいいと、大切されてきた虫なのです。
西洋におけるトンボのイメージは「悪い虫」
日本では縁起のいい虫として好かれているトンボですが、海外ではどうなのでしょうか。
英語でトンボは「dragonfly」。
日本や中国ではめでたさの象徴である「dragon=竜」ですが、西洋では厄災をもたらすモンスターとして忌み嫌われています。
dragonがつくトンボもまたしかり。トンボは 魔女や悪魔の使いとされ、「魔女の針」「悪魔の針」と別名があるほど。
西洋のこどもには「いい子でいないとトンボに口を縫い付けられるよ」と言い聞かせるほど、トンボは西洋では不吉なものとされているのです。
神様トンボ以外で縁起がいい虫は?
縁起がいい虫:てんとう虫
てんとう虫もトンボのように縁起のいい虫と言われています。
てんとう虫は漢字で「天道虫」と書き、太陽に向かって呼ぶことから、縁起がいいと言われているんだとか。
身体にてんとう虫が止まると願い事が叶うというジンクスもあります。
体の水玉模様の可愛らしさからグッズとしても人気です。
縁起がいい虫:白蛇
白蛇、特に白蛇の抜け殻は金運・財運が良くなるラッキーグッズとして有名です。
白蛇は蛇の中でも最も霊力が強いと言われており、蓄財の神である弁財天の眷属と言い伝えられています。
脱皮の度に再生し、金運や財運・出世運をもたらすと言われており、財布に白蛇の抜け殻を入れて金運が上がった人もいるんだとか。
白蛇の夢は金運・財運が良くなる兆候としても知られています。
縁起がいい虫:カエル
日本では カエルも昔から縁起のいい生き物として知られています。
「お金がカエル」「無事カエル」などの語呂合わせから、幸運が帰って来る縁起のいい生き物として大切にされてきました。
また「変える」という意味から、物事がいい方向に転換する、カエルの前にしか飛ばない習性から仕事運アップの象徴としても人気です。
更にカエルは雨が降る前に鳴くと言われているため、農業においては雨を呼び豊作をもたらす神聖な存在とも言われているのです。
縁起がいい虫:タマムシ
タマムシは「吉丁虫」の異名を持つ、縁起のいい虫です。
女性にとっては「悪い虫がつかない=いい恋愛に恵まれる」として、恋愛運を上げるラッキーグッズとしても知られています。
またタマムシを財布の中に入れておくと金運が上がるなど、お金関係のジンクスもあります。
タマムシの光り輝く体の色は、人を惹きつける力があり、対人関係にも幸運をもたらすんだとか。
縁起がいい虫:イモリ・ヤモリ
ヤモリは漢字で書くと「家守」。読んで字のごとく、家を守ってくれる存在として昔から大事にされてきました
またゴキブリやクモなどを食べる益虫としても知られています。
ヤモリは幸運の象徴であり、夢に見るだけでも金運や出世運がアップするとされているのです。
特に白いヤモリは希少性が高く、見つけると金運がアップするんだとか。
見た目がヤモリと似ている イモリも縁起がいい生き物とされており、漢字で書くと「井守」。
つまり井戸など水回りを守る存在として重宝されてきたのです。
縁起がいい虫:黄金虫
名前からして、金運に関係ありそうな黄金虫。
その名前通り、黄金虫を見かけると金運に恵まれると言われています。
古代エジプトでは「スカラベ」と呼ばれ、太陽神・ラーの遣いとして「再生や復活・永遠・スピリチュアル的覚醒」を意味する幸運の象徴とされてきました。
てんとう虫と同じように黄金虫が身体に止まると幸運が訪れるとも、言われています。
神様トンボとは?のまとめ
→白いカエルは縁起が良い?スピリチュアルや夢に出てくる意味、神様の使い?
→ツバメの巣は縁起がいい?風水との関係や吉兆な理由、撤去して壊すのは悪い?
神様トンボは昔の日本人がその姿を祈りの形と捉えて大事にした、ハグロトンボです。
子供たちがむやみに生き物を殺生しないための言い伝えとも言われています。
トンボ以外にもスピリチュアルな意味が込められた縁起のいい生き物がいます。
外に出る時にそういった生き物を意識してみてはいかがでしょうか。
以上、「神様トンボとは?スピリチュアルな意味や縁起がいいと言われる理由、名前や種類も!」を紹介しました。