イギリスといえば、歴史的にも日本と関わり合いの深い国の一つですが、漠然としたイメージはあっても詳しく知らないという方も多いのでは?
私は今世紀の大半をイギリスで過ごしてていますが、いまだに日本との感覚の違いに驚かされる事も少なくありません。
今回は、 「イギリスといえば」をテーマに、料理や観光地、お土産から生活習慣、国民性まで現地に住む日本人の目を通しご案内していきたいと思います。
目次
イギリスといえばどんな国?
イギリスはいまだに階級意識を持つ人が多い!
イギリスといえば日本では王室が有名ですが、王族や貴族以外などの特権階級以外にも クラス(階級)意識が存在しているのが大きな社会的特徴です。
階級というと日本人は貧富の差と捉えがちですが、イギリスの階級は主に職種とアカデミックなバックグラウンド、つまり学歴で決まります。
クラスと収入の相互関係は勿論ありますが、例えば腕の良い自営の職人さんと中間管理職のサラリーマンでは前者の収入が多い事も珍しくありません。
職人さんは労働者階級、サラリーマンは中流階級なので、階級が上なほどお金持ちだとは一概に言えない訳です。
またイギリス人は自分の階級に誇りを持っていて互いの階級を尊重しているので、優劣というより違いと捉える方がわかりやすいですね。
自分のスタイルは崩さないイギリス人!
ところで、私の家では本格的にセントラルヒーティングを使い始める直前の秋口にボイラーの定期点検を同じ人に頼んでいます。
イギリスといえば、ティータイムも重要なコミュニケーションなので仕事の前にお茶をごちそうするのですが技師さんが飲む紅茶はいつも同じ銘柄。
「普通のブレンド紅茶とアールグレイ、どちらがいいですか?」
と一度、尋ねた事があるのですが「アールグレイはクイーンが飲むようなポッシュな紅茶だから 」と彼は迷わず普通のブレンド紅茶を選びました。
因みに、その腕の良いボイラー技士さんは1時間程の点検で日本円にして1万円弱の料金を取るので収入も安定しているはず。
そして、普通のブレンド紅茶もアールグレイもそもそも同じメーカーのもので値段的違いは全くありません。
ですが、上流階級の人が好むような銘柄の紅茶は 自分の口にもスタイルにも合わない飲み物と彼は感じるようですね。
💡イギリス人が使うポッシュ(posh)という単語の意味は結構深い!
ポッシュ(posh)はイギリス人がよく使う言葉で、元々は上流階級のといった意味ですが 上品ぶっているというニュアンスも。
労働者階級の人の中には、ポッシュな上流階級の趣味や趣向は、自分のスタイルに合わないと一線を画する人も少なくありません。
イギリスといえば天気や気候は?
イギリスの天気は1日の内に四季がある!
イギリスといえば、 「1日の内に四季がある」とも評される目まぐるしく変わる天気でも知られています。
日が照っていたかと思うと急に雨が降り出すなんてことは日常茶飯事ですが、イギリスで特に驚いたのが天気に伴う気温の変化で夏場でも羽織るものは手放せません。
イギリスといえば、雨が多いイメージを持つ人も多いですが、一度のドバっと降るのではなく降ったり止んだりといった振り方が多いですね。
稀に短時間に大雨が降る事もありますが基本的には小雨程度だからか、イギリス人は傘を差さない人が結構いることにも最初はかなり驚きました。
イギリスは高緯度の割に比較的温暖!
イギリスといえば、北海道よりも北に位置する高緯度の国ですが、暖流の影響もあり 冬場が温暖なのが天気の特徴でもあります。
私が住むイングランド北部でも、寒波がくると最高気温が2~3度になる日もありますが、最高気温が氷点下の日はほとんどありません。
秋口から春先にかけては曇りや雨の日が多くなりますが、雪が降るのも年に数回で雪かきの必要もなければ根雪になることもまずないですね。
イギリスといえば国民性や習慣は?
イギリス人は本音と建て前を使い分ける!?
イギリスといえば紳士と淑女の国のイメージですが、暮らしていても 礼儀を重んじる人が多いと感じる場面は多いですね。
例えば、「interesting(興味深い)」という単語ですが、誉めているとも取れますが、後に明確な賛辞が続かない場合は「私的には微妙だけど」という意味の可能性も。
以前、子供に作った日本のお弁当を見て義母が「That looks very interesting」とコメントしたことがあります。
味見した結果、義母はおにぎり海苔がお気に召さなかったのですが、やはりコメントは「very interesting」でした。
食は進みませんし、嫌いなのは明白でしたが 「まずいではなく興味深い」。
少し日本人と似た感覚ですが、心にもないお愛想ではなく、如才のない表現でその場を丸く収めるといった感覚に近いかもしれません。
イギリス人のウィットのきいた返しが素敵!
イギリスといえば、自嘲的なイングリッシュジョークが知られていますが、 ウィットのきいた返しの方が個人的にはよく感心させられます。
笑い転げる冗談ではなく「座布団一枚」と言いたくなるユーモアある切り返し。
多くのイギリス人は、実に上手にそんな切り返しができます。
先日、貴族のカントリーハウスを見学した際、面白い一幕がありました。
以前の持ち主がペンキで白く塗ってしまったが、この部屋の壁紙は非常に価値がある物だったとの説明をガイドさんから受けた後のこと。
「僕のお家も一般に公開してみたくない?」とガイドさんが男の子に尋ねました。
男の子は嫌だと言っただけでしたが、すかさず父親が返した言葉。
「いや~残念ながら家の壁紙も全部真っ白なんですよ。」
ガイドさんも含め、その場にいた人が皆、クスリと笑っていたのは言うまでもありません。
我が家の借地権の期限はなんと999年!
日本でも借地権付きの物件は偶にありますが、イギリスにもよく似たシステムがあり、リースホールドといいます。
リースホールドはイギリスでは珍しくない形態で我が家も該当するのですが、地主さんに土地を返せと言われたらどうしようなんて心配は無用。
というのも、 我が家の借地権の期限はなんと999年なんです。
リースホールドとひと口に言っても様々な期限があるのですが、999年の期限がある権利とは何ともイギリスらしいと感心しました。
因みに、うちの場合、期限はいつまでたっても999年で、一年ごとに減っていくわけではありません。
また、地主さんから土地を借りているわけなのでリース料の請求が弁護士事務所を通し年に一度来ます。
しかし金額は日本円にして700円ほどという安さで、遠くに住んでいる見たこともない地主さんに後払いでお支払いしています。
イギリスといえば料理や食べ物は?
フィッシュアンドチップス
イギリスといえば、食べ物がまずいと言われる事も多いですが、名物料理も存在します。
フィッシュアンドチップスは白身魚のフライとフライドポテトで、イギリス人のソウルフードともいうべき食べ物。
尚、フィッシュアンドチップスはタルタルソースやケチャップではなく、塩とモルトビネガーをかけるのがイギリスでは伝統的な食べ方です。
最近は中華のテイクアウトのお店にもある料理ですが、ネクタイに白衣のおじさんが揚げる昔ながらのフィッシュアンドチップスはやはり絶品ですよ。
因みに、チップスというとポテトチップスをイメージしてしまいそうですが、ポテトチップスはイギリスではクリスプスといいます。
イングリッシュブレックファスト
イギリスといえば、 ボリュームたっぷりの朝食も代表的な食べ物のひとつです。
ベーコンとソーセージ、焼きトマトとマッシュルーム、ベイクドビーンズに卵はお好みで目玉焼きまたはスクランブルエッグ。
朝食としてはかなりの摂取カロリーになってしまいますが、別途トーストやコーンフレークなどもついて来るのが普通です。
イギリスでは、ホテルの朝食は勿論、パブやティールームなどでも伝統的なイギリス式の朝食は定番のメニュー。
日本のモーニングと違って、オールデイブレックファストとして一日中提供されているお店も珍しくありません。
イギリスといえば人気の観光地は?
ロンドン
イギリスといえば、やはり 首都ロンドンが名所も多く観光では外せません。
ビッグベン、バッキンガム宮殿、タワーブリッジ、大英博物館などお馴染みの観光スポットがそろうロンドンはイギリスを代表する観光都市です。
コッツウォルズ
なだらかな丘陵地帯にはちみつ色の石造りの家が並ぶ コッツウォルズは、イギリスといえば多くの人が思い浮かべる人気観光地です。
昔ながらの可愛らしい村が点在するコッツウォルズはロンドンからのアクセスも良く多くの日本人が訪れる事でも有名です。
湖水地方
イギリスといえば、イングランド北西部にある 湖水地方もピーターラビットでお馴染みの人気観光地です。
風光明媚な湖水地方には、ピーターラビットの著者ベアトリス・ポッターが生前住んでいたファームハウスが現存していて内部も見学可能ですよ。
エディンバラ
スコットランドの首都である エディンバラも歴史的な名所が数多くあるイギリスを代表する人気の観光地です。
中世の趣が色濃く残るエディンバラ市街地は、街自体が世界遺産に登録されている雰囲気たっぷりの観光都市ですよ。
イギリスといえばお土産の定番は?
ショートブレッド
イギリスといえばお土産は ショートブレッドが何と言っても定番です。
コクのあるバター風味のショートブレッドはイギリスのティータイムの定番スイーツ。
かなりカロリーが高めなので食べすぎには要注意ですが、日本人の口にも合い喜ばれるお土産になりますよ。
因みに、現地でショートブレッドをお求めになる際は、土産物屋よりスーパーで買う方がコスパもよくおすすめです。
紅茶
イギリスといえば 紅茶も忘れてならない王道のお土産で、メーカーも種類も実に豊富です。
本格的なリーフも勿論美味しいですが、イギリスの紅茶はティーバッグでも質の良いものが多く喜ばれますよ。
定番はイングリッシュブレックファストやダージリン、アッサム、アールグレイなどが定番ですが、ラプサンスーチョンという日本ではちょっと珍しい銘柄もあります。
紅茶好きの方なら知っている人も多い銘柄で、独特の香りがあり好き嫌いは分かれますがイギリスではファンも多いフレーバーですよ。
イギリスといえばいろんな意味で奥が深い国!
→アドベントの意味は?カレンダーやクランツ、キャンドルの楽しみ方も!
→クリスマスの休暇はアメリカやヨーロッパではいつからいつまでの期間?
という事で、イギリスといえば、をテーマに現地在住者ならではの視点でイギリスという国のあれこれをご案内いたしました。
イギリスは結構好き嫌いが分かれる国ですが、興味深い発見も多く一度は訪れて頂きたい国というのが率直な気持ちです。
尚、ここでいう興味深い(interesting)には「でも実は私的には微妙」という意味合いは含まれておりませんのでご安心くださいね。
以上、「イギリスといえば?料理や観光にお土産、習慣や国民性まで現地在住者が徹底紹介!」を紹介しました。