春から夏にかけては様々な食材が旬を迎える美味しい時期ですが、中でも初鰹は、昔から珍重されてきた季節の風物詩ですよね。
とはいえ、最近は冷凍ものが年中出回っているため、 初鰹の旬の時期はいつかときかれても、即答できない方も少なくないのでは?
今回は、高知や千葉をはじめ 各地の初鰹の旬の時期について、食べ方のおすすめレシピや俳句の季語で使う場合の季節も含めご紹介していきたいと思います。
目次
初鰹とは?戻り鰹との違いって?
初鰹の日本各地の旬の時期を詳しくご紹介する前に、先ず 初鰹の定義を簡単におさらいしておきましょう。
鰹は世界の熱帯から温帯の海に生息する回遊魚で、日本近海では春になると黒潮にのって太平洋沿岸を北上します。
日本の近海を回遊する鰹のうち、 春の時期に太平洋岸を北上し、その年初めて獲れる鰹は初鰹と呼ばれ、季節の風物詩として昔から親しまれてきました。
尚、春先から北上する鰹の群れは、三陸沖まで回遊した後、秋になると再び南下を始め暖かい南の海に戻っていくことで知られています。
また、太平洋岸を春から夏にかけ北上する初鰹に対し、 秋の時期に東北地方の三陸沖でUターンして南下してくる鰹は戻り鰹と呼ばれる秋の味覚。
因みに、初鰹と戻り鰹は時期だけでなく味にも違いがあり、初鰹は脂がのっておらず、さっぱりしているのに対し、戻り鰹はよく脂がのっているのが特徴です。
各地の初鰹の時期の大まかな目安は?
参照元URL:https://youtu.be/HeF3Q5YwLDQ
相模湾で撮影された上の動画でもわかる通り、鰹は春先になると群れになって黒潮にのり、日本近海を北上し始めます。
そのため、 初鰹の旬は地域によって時期的な違いがあり、南にある鹿児島や宮崎などの太平洋岸では2月頃からが旬の季節。
その後、黒潮にのった初鰹は、四国の高知を経て本州の静岡、千葉沿岸を回遊し三陸沖では初夏の6月頃が初鰹の時期になります。
尚、厳密にはその年初めて水揚げされた鰹が初鰹ですが、商標としては4月~6月頃までの日本沿岸を北上中の鰹全般を初鰹という場合が多いようですね。
それでは以下に、鰹漁で有名な各地の初鰹の時期を南から順にご紹介していきますので、併せて参考にしてみて下さい。
鹿児島・宮崎の初鰹の旬の時期は?
九州南部に位置する 鹿児島と宮崎は、日本で最も早い時期に初鰹が楽しめる地域で、例年、2月頃には初鰹の季節がスタートします。
鹿児島の初鰹の時期は2月~3月頃で、枕崎漁港は全国有数の水揚げ量を誇る鰹の一大拠点。
また、鰹の加工品である鰹節の生産量も鹿児島県は日本一となっています。
一方、 宮崎の初鰹の時期は2月~5月頃までと鹿児島より少し長く、余り知られていませんが近海での鰹の一本釣りの漁獲高全国1位なんです。
因みに、鰹の頭を煮た豪快な鹿児島枕崎の「ビンタ料理」や宮崎日南地方の鰹のづけ丼「かつおめし」などそれぞれ鰹を使った郷土料理も人気があります。
高知の初鰹の旬の時期は?
四国の太平洋岸に位置する 高知の初鰹の時期は、九州から少し遅れ 3月~5月頃になります。
高知は、日本沿岸での鰹の一本釣りの漁獲量、鰹の消費量共に日本一で、全国的にも鰹の本場として広く認知されている地方。
因みに、高知県は遠洋・近海漁を併せても日本第4位の鰹の漁獲量を誇り、全国屈指の鰹漁の拠点となっています。
ところで、高知の鰹料理といえば、なんといっても「鰹のたたき」が有名で、ネギ、ニンニク、ショウガ、玉ねぎなどの薬味とのコラボが絶品。
通常はポン酢で食べることが多い鰹のたたきですが、高知では塩で食べる 「塩たたき」が郷土料理として有名です。
また、鰹のたたきをアレンジした高知の「鰹のたたきバーガー」もB級ご当地グルメとして人気があり要チェックですよ。
静岡の初鰹の旬の時期は?
他の都道府県を大きく引き離し、 日本一の鰹の漁獲量を誇る静岡は、4月~6月頃が初鰹の時期です。
清水港や焼津港など、鰹漁で有名な漁港を有する静岡県は、遠洋での鰹漁が盛んなのが特徴で日本の鰹の漁獲量の30%ほどを占めています。
尚、冷凍の鰹が多い静岡ですが、初鰹の時期には沖合漁も盛んで、新鮮な鰹を使ったたきの名店もたくさんありますよ。
千葉の初鰹の旬の時期は?
千葉は 旬の時期に限れば、鰹の水揚げ高が日本一の県で、静岡同様4月~6月頃が初鰹の時期です。
千葉の鰹漁の拠点である勝浦漁港は、一本釣り漁の他、沿岸で行われる引き縄漁法が有名で、水揚げしたその日に漁港に戻るため「日戻り鰹」と呼ばれ鮮度の良さは折り紙付き。
「漬け丼」や鰹の炊き込みご飯の「かつおめし」、鰹の「なめろう」など郷土色豊かな鰹料理もそろっています。
宮城の初鰹の旬の時期は?
春先から北上を始める鰹が目指す目的地でもある 宮城の三陸沖は、6月~7月頃が初鰹の時期です。
宮城の気仙沼港は、生鮮鰹の漁獲量日本一の鰹漁の拠点で、黒潮と親潮がぶつかる日本屈指の優れた漁場でもあります。
北上しながら沢山エサを食べた初鰹は、宮城沖までくると既にかなり脂がのった状態になっていて濃厚な味わいなのも特徴。
また、三陸沖で水揚げされた鮮度の良い鰹は、たたきよりお刺身が一般的な食べ方なのも地域的な特徴的ですね。
初鰹を俳句の季語として使う時期は?
初鰹は、春から初夏の時期にかけての旬の味覚ですが、 俳句では初夏の時期に使われる季語になります。
初鰹といえば「目には青葉 山ほととぎす 初松魚(はつがつお)」という俳句を思い浮かべる人も多いですよね。
初鰹の俳句は、江戸時代中期の俳人山口素堂が読んだものですが、非常に有名な一句として現代も親しまれています。
「目にも鮮やかな新緑、山には美しくさえずるほととぎすの声、食べるなら旬の初鰹」といった意味ですが、季語が3つ入っていることでも知られる俳句ですね。
因みに、 青葉、ほととぎす、初鰹はいずれも江戸っ子が好んだ季節の風物詩で、当時は「初鰹は女房子供を質に置いてでも食え」といわれたほど人気の食べ物でした。
旬の時期の初鰹が珍重されてきた理由って?
さっぱりした味わいの初鰹は、もちろん美味ですが、今日も旬の味覚としてもてはやされるのは歴史的背景も少なからず影響しています。
先に触れた通り江戸時代、旬の時期の初鰹は、大枚をはたいても食べたい江戸っ子垂涎の食材でした。
これは江戸っ子にとって、その年初めての水揚げである初物を食べることに非常に大きな価値があったからに他なりません。
貴重な初物を食べ季節を感じるのは、 江戸の人々にとって粋で風情ある楽しみであり、江戸っ子の嗜好にぴったり合致していました。
味や栄養価では、初鰹より脂ののった戻り鰹の方が実際優れているといわれますが、季節感を楽しむのが初鰹の最大の魅力。
そんな初物を珍重し季節感を大切にする江戸の粋は、現代の食文化にも受け継がれているというわけですね。
旬の初鰹の美味しい食べ方のおすすめレシピは?
旬の初鰹のおすすめの食べ方レシピ1
参照元URL:https://youtu.be/SAGTV7UYGl8
旬の時期の初鰹は、たたきやお刺身でも美味しいですが、 季節感のあるちらし寿司に変身させるのもおすすめの食べ方です。
上の動画で紹介されている「初鰹のちらし寿司」は、漬けにした初鰹を酢飯の上に薬味などと共にトッピングするだけの簡単レシピ。
薬味のトッピングはお好みですが、動画のレシピのように菜の花を加えるとより季節感が出て春の食卓に最適ですよ。
尚、動画では鰹の皮をバーナーで焼いていますが、既に下処理されているものを買ってくればより簡単に作れておすすめです。
余ったちらし寿司は、熱いお出汁や緑茶をかけ 鰹茶漬けにアレンジもでき、一品で二度おいしいおすすめの食べ方となっています。
旬の初鰹のおすすめの食べ方レシピ2
参照元URL:https://youtu.be/BPO-fXdvOs0
脂が余りのっていない初鰹は、さっぱりした味わいが魅力ですが、より濃厚な味がお好みなら 醤油マヨネーズ和えのレシピもおすすめです。
作り方はとても簡単で、初鰹に、これまた旬の苦味の少ない新玉ねぎのスライスを適量の薬味と醤油マヨネーズで和えるだけ。
醤油にマヨネーズをプラスすることで、さっぱりした初鰹の味わいにまろやかさと深みがプラスされ、大変おすすめです。
一見、ミスマッチにも思われるマヨネーズですが、 少しこってりした初鰹を楽しみたい場合はぴったりの調味料ですよ。
旬の初鰹のレシピにおすすめの取り寄せ食材をご紹介!
初鰹のレシピにおすすめの食材1
春から初夏が旬の初鰹は昔から親しまれる季節の味覚ですが、最近は遠洋で獲れた冷凍ものも多く出回っているのも事実ですよね。
旬の時期の初鰹をより確実に召し上がりたいなら、 上記の豊洲市場から直送される生鮮初鰹四分の一身がおすすめです。
日本各地の最高級の鮮魚が集まる豊洲市場で厳選された旬の初鰹は、高級店にも卸されている極上の逸品。
限られた時期にだけ楽しめる美味しい初鰹を、たたきやお刺身をはじめ様々なレシピで堪能できおすすめですよ。
初鰹のレシピにおすすめの食材2
初鰹の食べ方では、たたきやお刺身、先ほどご紹介した醤油マヨ和えなど、様々なレシピに薬味として玉ねぎがあると何かと重宝します。
上記の浜松篠原産の旬の新玉ねぎは、ブランド価値が高く市場に出回りにくい高級品種で、みずみずしい新鮮な味わいが絶品なんです。
サラダ感覚で食べられる甘くて風味豊かな旬の新玉ねぎは、初鰹との相性も抜群。
初鰹とのコラボだけでなく、様々な季節のレシピで楽しめるおすすめの食材となっています。
初鰹のレシピにおすすめの食材3
春から初夏にかけてが旬の初鰹は、さっぱりした爽やかさを最大限に楽しみたいという方も少なくないですよね。
上記の高知四万十川で育まれた天然100%の柚子果汁は、もぎたての新鮮な香りが楽しめる逸品で、自家製のポン酢づくりにも大変おすすめです。
本場高知で水揚げされた初鰹と併せれば、高知の山の幸と海の幸のハーモニーが楽しめ、爽やかな季節の味わいが堪能できること間違いなしですよ。
旬の時期の初鰹を堪能しよう!
→菜の花の時期や季節は?全国の名所の見頃、食用の旬や美味しい食べ方!
→つくしの季節や時期はいつ?採れる場所やコツと美味しい食べ方は?
→マテ貝の砂抜きや塩抜きの方法!簡単な下処理のやり方や保存法は?
という事で、初鰹の時期について、全国各地の旬の時期から俳句の季語としての時期、そしておすすめの食べ方レシピや食材も併せご紹介しました。
近年は一年中出回っている鰹ですが、新鮮な初鰹は限られた時期だけの御馳走なので、ぜひ旬を逃さず美味しい食べ方で楽しんでくださいね。
以上、「初鰹の時期はいつ?高知や千葉の旬の季節やおすすめレシピ、俳句の季語で使うなら?」を紹介しました。