故郷に帰省したり、旅行に出かけたりなど、近頃は多様化している盆ですが、お盆にやってはいけないことはどんな事柄があるのでしょうか。
昔ながらの伝統行事であるお盆なので、 お盆にやってはいけないこと、逆に お盆にすることは、やはり知っておきたいもの。
今回は、 お盆にやってはいけないこととすることについて、それぞれの習慣の由来やおすすめの過ごし方も含めご紹介していきたいと思います。
目次
お盆にやってはいけないこと1:水辺に行く
お盆の期間に水辺に行くのは、お盆にやってはいけないことの中でも、広く言われているNG行為です。
子供のころに、お盆に海水浴や川遊びなどに行くと水の中に引きずり込まれる、なんて脅された経験がある方もいらっしゃるのでは?
供養してもらえない亡霊が、寂しさから人間を水中に引き込むという言い伝えがよく知られています。
仏教の教えでは、 お盆の16日は地獄の釜のふたが開く日です。
閻魔様も鬼たちも休暇中なので、地獄におちた霊が水辺に近づく人間に危害を与えるため海や川くのはタブーともいわれています。
現実問題としては、お盆頃は、 土用波という高波が発生して潮の流れが変わりやすくなるため、水の事故が多い時期。
川も短時間の大雨で急な増水があったり、水温も低くなり始める時期なので、川遊びでもより注意が必要になります。
迷信といってしまえばそれまでですが、お盆に海や川へ行く際は、十分注意して安全に楽しむことが大切ですね。
お盆にやってはいけないこと2:生き物の命を粗末にする
生き物の命を粗末にする行為も代表的なお盆にやってはいけないことです。
仏教行事であるお盆なので、生き物の命を粗末にしないという仏教の基本になる教えはぜひ守りたい重要事項。
「お盆になるとご先祖様はトンボに乗って帰ってくる」といわれている地域もあるので、 虫捕りも控える方が良い遊びです。
魚釣りも生き物の命を人間の手で縮める行為なので、できればお盆は避けるのがベスト。
お盆の期間は、水辺がNGなのも理由ですが、漁師さんたちもお盆期間に漁に出ることは通常ありません。
虫捕りや魚釣りなどは、夏のレジャーでもありますが、 8月13日~16日はなるべくなら命を粗末にする行為はさけるのがおすすめです。
お盆にやってはいけないこと3:針仕事
お盆にやってはいけないことでは、 針仕事も比較的よく知られているタブー行為です。
お盆に針仕事がNGな理由は、針仕事をすると誤って針で指を刺して血が出てしまう危険があるため。
血は 「けがれ」としてとらえられるため、仏教行事であるお盆の期間は、出血する可能性がある行為は避けるという考えが由来となっています。
お盆にやってはいけないこと4:とげのある花や赤い花を飾る
知らない人もいるかもしれませんが、バラやサボテンなど トゲのある花を飾るのもお盆にやってはいけないことといわれています。
トゲは針と同じように、けがをして血がでる可能性があるためで、お供えの花だけでなくお家に飾るのもなるべく避けた方がいいですね。
その他、花に関しては 血を連想させる赤い花もお盆の期間は避ける方がよい色です。
お供えの花では気を付ける方も多いでしょうが、自宅の玄関やお部屋に飾る花にもお盆の時期は注意しましょう。
お盆にやってはいけないこと5:肉や魚を食べる
お盆は生き物全般の命を粗末にしてはいけないので、なるべくなら 肉や魚を食べるのも控える方が良いとされています。
絶対に、お盆にやってはいけないこと、とまでは言えませんが、お盆に集まってバーベキューも厳密にいうと実は避けたいレジャー。
お盆休みで人が集まる場合でも、中日にあたる14日、15日は魚やお肉をがっつりたべることは避けるのが本来のお盆の過ごし方ですね。
いうまでもなく、 肉や魚はお供えにもNGで、生前の好物でもお供えとしては非常識なので注意しましょう。
お盆にやってはいけないこと6:引っ越し
お盆にやってはいけないことでは、 引っ越しも代表的なNGイベントのひとつです。
お盆は、そもそもご先祖様の霊を供養するための行事であり、お祝いごとは避けるべきとされています。
お盆はお家にご先祖様の霊が帰ってくる期間でもあるので、お盆の最中に引っ越しでは、ご先祖様をきっちりお迎えできません。
お盆に引っ越しがNGな由来については、水辺の項で触れた夏土用の時期にあたるためとの説も。
夏土用の時期は昔から 土を掘ったり動かしたりすべきでないといわれており、引っ越しがよくない理由と考えられます。
引っ越しの性格にもよりますが、縁起を担ぐ新築の引っ越しなどは、なるべくお盆の期間を避けるのが無難ですね。
お盆にやってはいけないこと7:入籍・結婚式
先に触れた通り、お祝いごとはお盆にやってはいけないことといわれているため、 入籍や結婚式も避けるのが無難です。
お盆は休みが多く人が集まりやすいので都合がいい場合、絶対にダメなわけではないですが、気になるなら避ける方がおすすめです。
入籍も結婚式と同じで、絶対にお盆にやってはいけないとまでは言いませんが、やはり縁起を担ぐなら日を改める方が無難でしょう。
結婚式は特に地域差もあるため、双方の居住地の風習などを考慮したうえで、相応しい日取りを決めるといいですね。
お盆にやってはいけないこと8:納車・車の登録
どこまで気にするかにもよりますが、 納車や車の登録もお盆にやってはいけないことといわれる場合があります。
車に関連する事柄は安全第一な事柄のため、より縁起にこだわる人が多いのも事実です。
水辺の項でも触れた通り、お盆は供養されない霊がさまよっている時期ともいわれているため、気になるなら避けるのが一番。
迷信は気にしない方でも、お盆に納車されれば必然的に車検もお盆頃になる事実も心に留めておくべきです。
お盆休みが長い車会社もあるので、のちのち車検を受ける選択肢が狭まる可能性があるのもネックといえるかもしれませんね。
お盆にやってはいけないことに気を付ける期間は?
お盆にやってはいけないことをご紹介してきましたが、いつからいつまでの期間、注意すべきかも気になるところですよね。
お盆の月は東京を中心とした一部地域では7月ですが、全国的には8月が一般的です。
お盆の期間は、お盆月の 13日が盆入りで、14、15日が中日、16日が盆明けになります。
16日も午前中まではご先祖様は家にいるといわれるので、13日~16日の4日間は、お盆にやってはいけないことに注意するといいですね。
お盆月の違いについては、東京出身で7月がお盆の方でも、配偶者が地方出身でお盆に帰省するという場合、 相手の地域に合わせるのが基本。
自分の所はお盆ではないからと思うのではなく、8月がお盆の地域でお盆休みを過ごすなら、郷に入れば郷に従えの精神が大切ですよ。
お盆にすることやおすすめの過ごし方は?
お盆にやってはいけないことを踏まえ、お盆にするべきことやおすすめのお盆本来の過ごし方もご紹介しておきましょう。
お盆にすること1:【12日】盆提灯や精霊棚の準備
お祀りする仏様がある場合、お盆にすることは、盆入り前の準備からスタートします。
ご先祖様の霊をお迎えする目印となる 盆提灯を出し、お盆のごちそうやお供えをする 精霊棚(しょうりょうだな)を仏壇の前にしつらえるのが盆入り前の準備。
初めて迎えるお盆の場合は、故人が迷わず帰ってこられるよう、新盆用の白い提灯を軒下などにつるします。
地域差もありますが、盆提灯は、先に旅立った親しい友への感謝の気持ちを込め、友人から贈る習慣があります。
交友関係の中に新盆を迎えるご家庭があれば、友達同士で相談して手配しておくといいですね。
お盆にすること2:【13日】迎え火をたいてご先祖様をお迎え
翌13日の典型的なお盆にすることは、ご先祖様がお家に戻ってくる当日の準備になります。
精霊棚にごちそうをお供えして、いよいよお家に帰ってくるご先祖様を迎える態勢を整えます。
夕方には、 盆提灯に火をともして、お家の前で迎え火をたくのも13日のお盆にすること。
焙烙(ほうろく)という専用の容器の中にオガラを入れ、火をつけてご先祖様をお迎えします。
お盆にすること3:【14・15日】仏壇に朝晩のお供え、仏様やお墓へ参り
お盆の中日である14日と15日は、 季節の野菜・果物や朝晩のごちそう、おはぎなどを精霊棚にお供えして仏様をお祀りします。
お家は勿論、親戚や友達、お世話になった人などの お墓やご仏壇にお参りをするのも14日、15日のお盆にすること。
仏様をお祀りしているお家では、お参りに来てくれる人を迎える準備もしておきます。
14日、15日は夜お墓参りに行って、お墓の灯篭に灯りをともすのも一般的な風習で、お墓参りに行ったあと、盆踊りに参加する場合もありますね。
盆踊りは、屋台などがでるお盆のイベントですが、ご先祖様の霊の供養が本来の目的。
暑い夏の夜の風物詩でもあるので、今年はぜひ、供養の気持ちを込めて、お盆ならではのイベントに参加してみるといいですね。
※15日の夜に送り火をたいて、ご先祖様を送る地域もあります。
お盆にすること5:【16日】精霊送り、送り火をたく
いよいよクライマックスとなる16日のお盆にすることは、 灯籠流しや送り火などで、ご先祖様の霊を送り出すことです。
精霊送りのやり方は、地方ごとに特色がありますが、有名なイベントとしては、各地の灯篭流しや京都五山の送り火などがあります。
16日に各地で行われる花火大会は、最初に新盆の灯篭が焼かれたあとの花火があげられ、追善供養の意味が込められています。
故人をしのびつつ花火を楽しむのもお盆を締めくくる素敵な過ごし方ですね。
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という事で、お盆にやってはいけないこととすることについて、詳しくご紹介しましたが、いかがでしたか。
過ごし方が多様化しているお盆ですが、昔ながらのお盆にやってはいけないこと、お盆にやるべきことは心に留めておくといいですね。
以上、「お盆にやってはいけないことやすることは?習慣の由来やおすすめの過ごし方も!」の記事を紹介しました。