普通、ツバメの雛は巣にいるはずなのに地面にいるのを見つけた!
そんな思わぬ出来事に遭遇することも時にはあると思います。
よっぽどツバメについて知識がある方以外は、「保護したけどどんなことに注意して、どんなえさをあげればいいのかわからない…。」と戸惑ってしまいますよね。
普段、ツバメの雛と接することなんてありませんから、知識がないのは 当然のことです。
そこで今回はでは、ツバメの雛を触る時の注意点やえさのあげかたやおすすめの餌を紹介していきたいと思います!
目次
基本的にはツバメの雛を許可なく保護してはいけない
巣から落ちてしまったツバメの雛を見つけると、すぐにでも保護してあげたい!という気持ちになると思いますが、実は許可無く保護してはいけないんです。
もし、ツバメの雛が明らかに病気だったり怪我をしているなどの 緊急を要し、そのままにしておけないと判断できる場合は、ご自分が住んでいる都道府県の鳥獣保護担当部署などの自治体などににまず連絡し、許可を得て指示をあおぐ必要があるんですよ。
行政からのアドバイスのうえ、野鳥の保護飼育や救護を行っている施設に持ち込むと対応してくれる場合もあります。
ただし、野鳥を保護の仕方や自然に帰してあげるための知識や技術がまだ確立されていないのが現状。
保護の仕方を間違えると人に慣れすぎて自然に帰れなくなる野鳥や、施設によってはボランティアで運営されているところも多いので、必ず受け入れられるわけではない事を知っておくことが大事です。
ツバメの雛に触れる時の注意点
ツバメの雛が怪我をしていたり明らかに病気だとわかる場合は、自治体などに許可を得たうえで保護することになります。
保護する時の注意点があるのでまとめてみました。
■迷子かどうか確認
羽が生え揃っている「巣立ち雛」は、飛ぶ練習をしている可能性もあります。
保護する前に、まず状況を確認しなければなりません。
飛ぶ練習をしている雛は、近くで親鳥が見守っているので、鳥達にストレスを与えないように静かにその場所から立ち去りましょう。
飛ぶ練習をしている雛を「迷子」と勘違いして保護すると、「誘拐」になってしまうので注意が必要です。
万が一、迷子になったと勘違いして連れてきてしまったとわかったら、すぐに元の場所に戻してくださいね。
■手袋を必ず着用
野鳥からの感染症を防止するために、手袋をする事をおすすめします。
もし、素手で触れた場合はハンドソープでよく洗いましょう。
■羽が揃ってない健康な雛が落ちてる場合
もし怪我や病気をしておらず、保護の必要が無い雛が落ちてる時、近くに巣がある場合は他の雛に配慮して使い捨て手袋をはめるか、ティッシュで優しくくるんで巣にそっと返してあげてください。
もし巣が落ちている場合は、カップラーメンの入れ物に代用の巣材を敷き、雛を入れて巣が元々あった場所の近くに強力なテープなどで固定するのがおすすめです。
■落下した雛や病気の雛にはえさがすぐ必要
ふ化してあまり経っていない雛が落ちていてまだ「生きている」ということは、落ちてから時間が経っていないか、親鳥が少し前までちゃんとえさを食べさせていたということなのです。
巣から落ちてしまった雛の場合、えさをすぐに補給してあげる必要がありますのでお腹を満たしてあげないといけません。
「えさのやり方や、どんなえさをあげたらいいのかわからない方」は、後の項で紹介しているので参考にしてみてくださいね。
このように触る時に手袋をはめたり、状況を冷静に見ることがとても大切です。
ここからは、怪我や病気をしていた雛にあげるえさの種類やあげ方や、食べてくれない時の対処法を紹介したいと思います。
ツバメの雛の餌は何?
ミルワーム・ツバメの雛の餌
雛のえさというとミミズを思い浮かべる方もいますが、ツバメの雛にミミズはNGです。
ツバメの雛のえさとして、つり具店や通販やホームセンターで手に入る「ミルワーム」がおすすめです。
ミルワームというのは、穀物につく害虫の幼虫のこと。
ただ、ミルワームのみを与えるのは栄養価が低いので、ビタミンのシロップに漬けて足りない栄養価をアップさせて与える必要があります。
1日数回、1回で3匹から8匹を目安に与えてくださいね。
ちなみに水は、あげすぎると下痢をしてしまうので、スポイトで1滴口に含ませるだけで充分です。
虫・ツバメの雛の餌
ツバメの雛が食べる主食である虫についてですが、どの虫でもいいわけではありません。
ツバメの雛は、蛾やハエやバッタやコオロギを食べ、ミミズはツバメの雛のえさには NGです。
餌のあげ方については、バッタやコオロギの足が固いものは足を外し、虫の頭をつぶし、雛が食べやすいように小さく刻んでくださいね。
7分のすり餌・ツバメの雛の餌
生の虫を取るのは入手が大変だという方は、うぐいすなどのすり餌を与えるのもおすすめです。
すり餌は植物性飼料と動物性飼料を合わせたもので、ツバメの雛には動物性飼料が多い7分のえさが最適です!
これなら手軽にツバメの雛のえさになるので、鳥のお世話をしたことが無い方にも簡単ですよね。
ツバメの雛は ビタミン不足になると弱って危険な状態になるので、すり餌に小魚の粉になったものを練りこんだり、ミルワームのビタミンシロップ漬けをプラスして与えるのがベストです!
乾燥鶏卵・ツバメの雛の餌
ツバメの雛のえさとして、乾燥鶏卵を練ったものもおすすめです。
固くゆでた卵の白身部分をすりつぶして、蜂蜜か砂糖で練ったものを与えます。
ただ、これだけでは栄養が足りないので ビタミンシロップをスポイドで与えなければなりません。
ドッグフードの肉味・ツバメの雛の餌
ツバメの雛のえさとして、ドッグフードをふやかしたものも効果的です。
ドッグフードの肉味には、ツバメの雛に必要な動物性タンパク質が含まれています。
急な時でも入手しやすいのでツバメの雛のえさとして便利です。
野菜や雑草・ツバメの雛の餌
ビタミン不足を補うために、野菜や雑草を与えるのも効果的です!
ツバメの雛にえさとしてあげていい野菜と雑草は決まっていますので、まとめてみました。
■野菜…チンゲン菜、ブロッコリー、だいこんの葉、豆苗、小松菜
■雑草…クローバー、タンポポ、オオバコなど
雑草などは、雛が外で生活する時に自分で見つけられるようになるので、おすすめです。
ツバメの雛はすごい量の餌が必要
ツバメの雛には、思っているより多くのえさを与えなければなりません。
1度にたくさん食べることはできませんが、その度食べれるだけ与えれば OKです。
雛は満腹感を感じると口を開けなくなります。
1日の間に何度もえさをあげる必要があるので手間はかかりますが、えさを求めて口を大きく開ける姿は可愛いですよ!
ツバメの雛へ餌の与え方の基本的なコツ
次に、ツバメの雛に餌を与える時の ポイントを説明します。
餌を与える時は、思っているよりも奥にえさを口の奥に入れる必要があります。
ノドの奥に入れて刺激することで、えさが来たと気づかせることができ、同時に食欲がわくのです。
人間ならおえっとなってしまいそうですが、奥まで入れないと食べてくれませんので、ちゃんと入れて食べやすいようにしてあげましょう。
口の中にえさを置くだけというのは 間違いですので気をつけてくださいね。
小さなプラの注射器(針じゃないもの)にえさをつめて、思い切って口の奥まで入れて押し出してくださいね!
ツバメの雛が餌を食べない場合
ツバメの雛の中には、人間に怯えてえさを思うように食べてくれない性格の雛もいます。
そんな時は、クチバシの端をこじあけて強制的にえさを与える 「強制餌食」を行います。
生きた虫がえさの場合、クチバシに当てて動かしてあげると口を開ける雛が多いようですので、お試しくださいね。
口が開いたらすぐにえさを口に入れて、上下に動かしながら奥まで入れてあげると「コレは美味しいえさだ」と気づいて食いついてくれます。
ツバメの雛の餌のまとめ
野鳥は早起きなので、日の出のちょっと前に起きてえさを与えてあげましょう。
雛はお腹が空いたら一生懸命に鳴くのですが、「雛にとってはお腹が空いた」と鳴くだけでも想像以上に体力を消費しています。
ですので、鳴いたらすぐに気づいてあげてくださいね。
手間はかかりますが、保護したツバメが元気に育ってくれれば 一安心です!
以上、「ツバメの雛のえさは何がいい?量や時間帯・食べない時の対処法のまとめ」について紹介しました。