近頃は、クリスマス前の楽しみの一つとしてアドントカレンダーが徐々に認知されてきていますが、アドベントというのは、そもそもどんな意味かご存知でしょうか?

キリスト教文化にそれ程なじみのない日本人にとっては、耳慣れない言葉であるアドベントですが、欧米ではとても重要な意味を持つ言葉でもあります。

という事で今回は、 アドベントの意味について、私が現在暮らしている イギリスや以前住んでいた事がある ドイツのアドベントの様子や習慣なども含め、楽しみ方を包括的にご案内していきたいと思います。

スポンサードリンク

アドベントの意味とは?

ではまず、アドベントという言葉の意味について、わかりやすくご紹介しておきましょう。

アドベントは到来を意味するアドベントゥスが語源!

アドベントは、元々はラテン語で、到来という意味のAdventus(アドヴェントゥス)からきている言葉になります。

それが転じて、キリスト教では、イエスキリストの到来(誕生)と再臨を表す意味で、アドベントが使われるようになったのだそうです。

因みにアドベントは、 待降節(たいこうせつ)、降臨節(こうりんせつ)などと日本語に訳されますが、いずれもキリスト誕生を待ち望む期間の事を指しています。

キリスト教ではクリスマス前の約4週間をさす!

さて、アドベントは、キリストの誕生日、つまりクリスマスを待つ期間な訳ですが、具体的には クリスマスまでの約4週間がアドベントの期間になります。

因みに、なぜ「約」なのかというと、アドベントの期間が毎年、異なるためで、11月30日に一番近い日曜日からクリスマスイブまでの期間とされているからなんです。

という事で、 最も早い年では11月27日、最も遅い年で12月3日がアドベントの始まりとなり、12月24日までがアドベント期間という事になりますね。

尚、キリスト教圏では、このアドベントの期間中に様々な習慣があり、文字通りクリスマスを心待ちにする事を楽しむ期間でもあります。

スポンサードリンク

アドベントが持つ意味や欧米でのとらえられ方って?

さて、クリスマス前の約4週間を意味するアドベントですが、キリスト教の社会では古くから深い意味合いを持つ期間でもあります。

アドベントはキリスト教では悔い改める期間!

アドベントの説明としては、クリスマスの前の期間という事で間違いないのですが、キリスト教が基盤となっている社会では深い意味合いを持っている季節でもあります。

というのも、アドベントの期間は元々、 自分を顧みて悔い改める時期と位置付けられていた歴史があるからなんです。

最近は欧米でも教会離れが進んでいますが、やはりそういった土壌が元々あるため、単なるクリスマス前の期間以上の精神的な意味合いを感じる人も少なくないようですね。

アドベントはチャリティー精神が高まる時期!

精神的な意味合いなんていうと抽象的すぎるかもしれませんが、例えば、クリスマス前のアドベントの時期は、 チャリティー精神がとても高まるタイミングもあります。

私が暮らしているイギリスも、常日頃からホームレスや退役軍人、ホスピス、特定の病気等々、様々な募金活動が街角やスーパーの一角で行われていて、買い物のお釣りを募金箱に入れる事も日常の一コマになっているんです。

日本人の募金の感覚とは多少異なるチャリティーに対する考え方ですが、その熱がより一層高まるのがアドベントの時期、という風潮が欧米の社会には根付いているように感じます。

なので、アドベントは単にクリスマス前のお祭り気分だけでなく、 恵まれない人を思い遣り、善意の寄付を積極的にする時期という意味合いもある季節ですね。

アドベントの時期の代表的な習慣や意味は?

という事で、日本のクリスマス前の感覚とは多少相違もある欧米のアドベントですが、具体的にどういった習慣があるかもご案内しておきましょう。

アドベントはクリスマスに向けて準備が行われる期間!

早ければ11月27日、遅くても12月3日に始まりクリスマスイブまでの期間であるアドベントには、 クリスマスの向けて色々な準備が行われます。

例えば、イギリスでは、アドベントが始まる1週間前の日曜日はStir-up Sunday(スティアアップサンデー)と呼ばれ、クリスマスのデザートの定番である クリスマスプディングを作る習慣があります。

因みにStir-upは混ぜるという意味で、材料を混ぜ合わせることからこう呼ばれていますが、家族全員で願い事をしながら材料を混ぜるのが古くからのしきたりなんですよ。

また、以前暮らしていたドイツでは、アドベントの期間の毎日曜日に、 薄くスライスしたシュトーレンを食べるという習慣もあり、クリスマスが少しずつ近づいていることが肌で感じられます。

クリスマスマーケットもアドベントの期間中がメイン!

最近は日本でも大規模なイルミネーションが人気ですが、アドベントの時期は、欧米でも町がクリスマスムード一色になります。

因みに、クリスマスの風物詩である クリスマスマーケットもまたアドベントの代表的なイベントで、この時期の大きな楽しみですね。

ヨーロッパ中部以北では、アドベント頃は午後4時位には暗くなり、お世辞にも良い気候とはいいがたいのですが、電飾が瞬くクリスマスマーケットは憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる風物詩となっています。

因みに、クリスマスマーケットはアドベントの最終日である24日にはすでに終わっている所が多く 22~23日頃までが一般的ですね。

アドベントにはカレンダーやキャンドル等が飾られる!

アドベントと聞くと、アドベントカレンダーを思い浮かべる方も多いでしょうが、この時期は、他のクリスマスデコレーションをお家に飾る時期でもあります。

アドベントの飾りとしては、 アドベントキャンドルやクリスマスリースにろうそくを立てる アドベントクランツが有名ですね。

因みに、いつ出すという厳格な決まりはないものの、クリスマスツリーやクリスマスリースなどもアドベントを迎えるとよく目にするようになります。

スポンサードリンク

アドベントのカレンダーやキャンドル、クランツの意味は?

アドベントの何たるかを一通り押さえたところで、カレンダーやキャンドル、クランツ等の飾りの意味や起源もご紹介しておきましょう。

アドベントカレンダーの意味や起源!

12月1日から24日まで、毎日一つずつその日の数字の扉を開けていく アドベントカレンダーはドイツが発祥で世界中に広まりました。

因みに、アドベントカレンダーは、世界史の授業で習った宗教改革でおなじみのマルティン・ルターのルーテル派により19世紀初頭に考案されたのが起源なのだそうです。

尚、アドベントカレンダーは、その年のアドベントの期間に関係なく毎年12月1日がスタートになるのが特徴になりますね。

窓を開けるとクリスマスにちなんだイラストが現れる物から、中にチョコ等が入った立体タイプまで様々なデザインがあり、目にも楽しいアイテムです。

そんなアドベントカレンダーは、特に子供たちに人気で、その日の数字が書かれた扉を期待を込め開けるのがクリスマス前の楽しい日課になっていますね。

アドベントキャンドルの意味や起源!

カレンダーと同様、 アドベントキャンドルもまた19世紀頃のドイツが発祥といわれているクリスマスの飾りの一つになります。

アドベントキャンドルは、上の画像のように、4本のキャンドルで構成されていて、アドベントの日曜日ごとに一本ずつ灯すろうそくの数を増やしていくというものです。

因みに、アドベントの期間の日曜日ごとに灯すキャンドルには、それぞれ以下のような意味があり、クリスマスの厳かな雰囲気にぴったりですよね。

アドベントキャンドルの意味

1本目のキャンドル…予言のキャンドル

希望を表すキャンドルで、第1週から最終週、そしてクリスマス当日に未来への希望を願いながら灯されます。

2本目のキャンドル…天使のキャンドル

平和を意味する2本目のキャンドルには、アドベント第2週から最終週までとクリスマス当日に家庭内の平和、世界の平和を願いながら火がともされます。

3本目のキャンドル…羊飼いのキャンドル

3、4週目とクリスマス当日に灯される羊飼いのキャンドルは、 喜びを象徴していて、日常の暮らしへの感謝をしつつ火をともす物とされています。

4本目のキャンドル…ベツレヘムのキャンドル

キリスト生誕の地の名を持つベツレヘムのキャンドルはを意味し、最終数とクリスマス当日に愛することに感謝しながら火がともされます。

因みに、クリスマス当日に灯す第5のキャンドルがある場合もあり、その時は、キリストの誕生をお祝いしながら最後に5番目のキャンドルの火を灯すことになります。

また、家庭では余り気にされませんが、教会では第1と第2のキャンドルが紫か青第3がピンクで第4が白(第5があれば第4が紫で第5が白)という色の決まりもあります。

尚、 キャンドルの色にも意味があり、紫には悔い改め、待望といった意味、ピンク色には喜びの意味、白が純真の意味を持つクリスマスを象徴する色なのだそうですよ。

アドベントクランツの意味や起源!

アドベントキャンドルは、普通のろうそく立てやクリスマスの飾りつけをした台の他、クリスマスリースに立てられる場合もあります。

このリースにキャンドルをアレンジした飾りが アドベントクランツで、特にドイツでは非常に一般的なアドベントの飾りなんです。

因みに、クランツはドイツ語で花冠という意味で、アドベントクランツはもみの木や松ぼっくり等のお馴染みのクリスマスの装飾がされています。

尚、アドベントクランツのキャンドルも毎日曜日に灯されるのが習わしで、ドイツでは各家庭の他、レストランなどでもよく見かけるポピュラーな飾りとなっています。

スポンサードリンク

アドベントにおすすめのクリスマスの飾りは?

という事で、アドベントの意味を中心に、一般的な飾りの意味なども併せてご紹介しましたが、最後にアドベントにおすすめの飾りもご提案しておきましょう。

アドベントにおすすめの飾り1

アドベントの飾りといえば、なんといってもアドベントカレンダーがメジャーですが、毎年使える素敵な飾りだと、アドベントの時期の楽しみの一つになりますよ。

上記の木製のアドベントカレンダーはキリスト降誕のシーンのオーナメントで、アドベントのインテリアにももってこいのアイテムですよね。

アメリカのMeriMeri社製のかわいらしい木製の飾りは、アドベントの期間中、その日の数字の書かれた扉を毎日開けて一つずつオブジェを飾っていくシステムなんです。

参照元URL:https://www.rakuten.co.jp/

天使ガブリエル、羊飼い、ジョセフ、マリア、ベイビージーザス等々、かわいらしい飾りを箱から取り出し、徐々に増やしていく過程は子供も大人も楽しむことができますよね。

暖かい木のぬくもりが感じられるキリスト生誕シーンのアドベントカレンダーは、毎年、飾って楽しめるオーナメントで プレゼントとしてもおすすめですよ。

アドベントにおすすめの飾り2

アドベントキャンドルというと、4本のろうそくを立てた物の他にも、アドベントカレンダーと同じ要領で毎日少しずつ火を灯していくタイプも人気があります。

上記のアドベントキャンドルは、プライシズ社のクリスマス限定キャンドルで、キャンドル側面にクリスマスのデザインと日付が書かれた逸品なんです。

参照元URL:https://www.rakuten.co.jp/

日付が書かれたタイプのアドベントキャンドルは、毎日、その日の日付が消える長さまで明かりを灯して楽しむことができ、アドベントの雰囲気づくりにもぴったりですよ。

参照元URL:https://youtu.be/zHDAsdjRf-c

尚、毎日つけるタイプのアドベントキャンドルですが、上の動画のようにクリスマス風の飾りつけをして立てるとより雰囲気が出てとても素敵なんです。

市販のキャンドルスタンドでもOKですが、リースなどを作って余った材料を上手く使って DIYでも簡単におしゃれなスタンドを作れおすすめですよ。

アドベントにおすすめの飾り3

アドベントの飾りでは、アドベントクランツもおすすめのアイテムで、本格的なクリスマスの雰囲気を楽しみたいという方には特におすすめですよ。

上記のアドベントクランツは生花を使ったフレッシュリースで、ダイニングテーブルなどに飾り楽しむにもぴったりの逸品となっています。

参照元URL:https://www.rakuten.co.jp/

もみの木の枝をオアシスにアレンジして手作りされたアドベントクランツは、赤×金と白×銀の2パターンから選ぶことができるんです。

11月20日以降のアドベントの時期に合わせてのお届けとなる生花のアドベントクランツは、ご自宅用は勿論、少し早めのクリスマスプレゼント等にもおすすめですよ。

スポンサードリンク

アドベントの意味を理解し、よりクリスマスを楽しもう!

という事で、アドベントの意味や楽しみ方、そしてアドベントに欠かせないカレンダーやキャンドル、クランツの意味や起源なども併せご紹介しました。

日本では、クリスマスの前の時期という以外には特別な意味合いがないアドベントですが、ぜひ今年は本来の意味にも思いをはせ、一味違った楽しみ方をしてみてくださいね。

以上、「アドベントの意味は?カレンダーやクランツ、キャンドルの楽しみ方も!」を紹介しました。

スポンサードリンク