「今日は半夏生です。いよいよ夏本番も間近ですね」なんて、テレビでアナウンサーが言っているのを耳にした記憶がある方もいるのでは?
とはいえ、半夏生はそれ程メジャーではないため、2019年の半夏生はいつかや、そもそもどんな行事なのか知らない方も少なくないかもしれません。
今回は、 2019年の半夏生はいつかから始まり、 タコや他の食べ物を食べる習慣から、花や季語としての半夏生の魅力も併せご紹介していきたいと思います。
目次
2019年の半夏生はいつ?
2019年の半夏生は、7月2日になります。
半夏生は毎年同じ日程ではなく、7月1日になる年もありますが、大体7月2日頃。
以前は夏至から11日後が半夏生でしたが、現在は「天球上の黄経100度を太陽が通過する日」との条件で決められています。
半夏生とは?意味や由来は?
2019年は7月2日になる半夏生は、 「はんげしょう」と読みます。
半夏生は、節分や八十八夜、土用などと同じ雑節(ざっせつ)で、二十四節気をさらに細かく分けた七十二候という中国発祥の暦の中のひとつです。
半夏生は、半夏(別名カラスビシャク)という薬草が生える頃というのが名前の由来といわれています。
昔から 田植えや畑仕事を終える目安とされた日でもあり、農家にとって半夏生は大切な節目の一つでもありました。
カラスビシャクとも呼ばれる半夏(1枚目の画像)は、日本や中国、朝鮮に広く分布するサトイモ科の植物です。
球形の地下茎の外皮をむいて、乾燥させたものが、吐き気止めなどの漢方薬として昔から使われます。
一方、 半夏生(2枚目の画像)は、白い葉と花が印象的なドクダミ科の植物で、観賞用として庭などに植えられ人気があります。
半夏生の花の季節も、雑節の半夏生の時期なので名前の由来といわれますが、全く違った植物なので、混同しないよう注意しましょう。
2019年の半夏生におすすめの食べ物は?
昔から半夏生の日には、 特定の食べ物を食べる習慣が日本各地にあります。
2019年の半夏生にもおすすめの伝統的な半夏生の食べ物についてもご紹介しておきましょう。
2019年の半夏生におすすめの食べ物1:タコ
タコは、半夏生に関西地方で広く食べる習慣がある代表的な食べ物です。
半夏生にタコを食べる習慣は、田植えを終えたタイミングでの豊作祈願が由来で、稲がタコの足のようにしっかりと八方に根を張るようにと願いが込められています。
農家では、田植えを終え、田んぼの神様にタコをお供え豊作を願ったあと、皆でタコを食べるのが半夏生の習慣になったのだそうです。
酢の物や煮物など、様々な食べ方ができるタコなので、2019年の半夏生のメニューに加えてみてはいかがでしょう。
2019年の半夏生におすすめの食べ物2:うどん
うどんを半夏生の日に食べるのは、香川県の習慣です。
稲の植え付けと麦の収穫が重なる半夏生の頃は、ちょうど農家の繁忙期にあたります。
昔から香川では農家の手伝いに来てくれた人たちに、収穫したばかりの小麦で作ったうどんを振舞う風習がありました。
うどんを振舞う昔からの習慣が現代にも受け継がれ、半夏生の食べ物として定着したわけですね。
1980年には、本場さぬきうどん協同組合の前進となる香川県製麺事業協同組合により、7月2日は「うどんの日」に制定されています。
平日でも手軽に用意できるメニューなので、2019年の半夏生の献立はさっぱりした冷やしうどんもおすすめですよ。
2019年の半夏生におすすめの食べ物3:半夏生餅
関西ではタコがメジャーな半夏生の食べ物ですが、 奈良県や大阪南部の河内地方では「半夏生餅」というお餅を食べる習慣もあります。
半夏生餅は、もち米に収穫したばかりの小麦を入れて作ったお餅にきな粉をまぶした素朴な行事食です。
奈良県や大阪南部の食料品店では市販しているお店もあるので、2019年の半夏生にトライしてみてはいかがでしょう。
2019年の半夏生におすすめの食べ物4:焼きサバ
半夏生に焼きサバを食べるというのは、 福井県大野市周辺に現代も残る習慣です。
半夏生の日にサバを食べる習慣は、江戸時代、大野藩の領主が、暑くなる時期に滋養のあるサバを食べることを領民に奨励するお触れを出したのが始まり。
お触れを出した背景には、サバの消費を増やして、漁村の年貢を軽減する狙いもあったのだとか。
以来、大野市周辺には半夏生の日に、一人一尾の半夏生鯖(はげっしょさば)を食べる習慣が根付いたのだそうです。
半夏生は本格的な夏に向かう時期なので、2019年は栄養のあるサバを献立に加えてみるのもいいですね。
2019年は半夏生の花の名所も要チェック!
雑節としての半夏生についてご紹介してきましたが、白い葉が印象的な「半夏生の花」も半夏生の頃がちょうど見頃。
半夏生の花が楽しめる 東西の古都、鎌倉と京都の名所もご紹介しておきましょう。
涼やかな半夏生の花の鑑賞は、2019年の初夏のレジャーにも大変おすすめですよ。
2019年におすすめの京都にある半夏生の名所
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京都の半夏生の名所では、東山にある 建仁寺両足院の池泉回遊式庭園が有名です。
通常は非公開のスポットですが、例年、半夏生の見頃に合わせ特別公開が行われるので2019年も要チェックですよ。
その他、京都では、嵐山の天龍寺・天龍寺宝厳院・大覚寺や洛北にある等持院、山科の観修院も半夏生の名所となっています。
2019年におすすめの鎌倉にある半夏生の名所
鎌倉にある半夏生の名所としては、花の寺として有名な光則寺や海蔵寺、駆け込み寺として知られる東慶寺などがあります。
その他、鎌倉中央公園の「ふたつ池」の間にある湿生花園でも半夏生を見ることができるおすすめのスポット。
光則寺と鎌倉中央公園の半夏生は、群生が鑑賞できるので、鎌倉でも特におすすめの名所となっています。
2019年の半夏生には半夏生が題材の文学もおすすめ!
初夏の季語でもある半夏生は、俳句や短歌、文学作品などの題材にもされています。
ゆっくりと暮れていく半夏生の夕べに、季節感のある文学を楽しむのも2019年はおすすめですよ。
半夏生を題材にした短歌や半夏生が季語の俳句
・葉の白き 半夏生見んと 誘はれて 夏日傾く 古寺へ来ぬ 島田修二
・いつまでも 明るき野山 半夏生 草間時彦
・花は葉に 隠れて咲ける 半夏生 稲畑汀子
・半夏生 葉を白く染め 梅雨上がる 山口青邨
「半夏生」を題材にした俳句や短歌には、時期としての半夏生と花の半夏生が詠まれた風情ある作品がそろっています。
初夏のみずみずしい季節感があふれる短歌や俳句に触れてみるのも2019年の半夏生の素敵な過ごし方ですね。
91歳の著者が亡き妻におくった話題の歌集「半夏生」
「半夏生」は91歳のおじいちゃんが奥様にあてて読んだ短歌を集めた手作りの歌集です。
孫娘であるモデルの街子さんが、ツイッターで紹介して反響を呼んだ作品で、先立たれた奥様への愛にあふれる切なくも美しい短歌集。
奥様との別れから一人になった後の暮らしの中での気持ちを詠んだ歌集は、世代を超えて共感を呼ぶ珠玉の一冊です。
2019年の半夏生には、心温まる素敵な歌集を手に取ってみてはいかがでしょうか。
2019年の半夏生を満喫しよう!
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という事で、2019年の半夏生はいつかから始まり、半夏生の食べ物の習慣や花の名所、文学作品の題材としての半夏生も含め、様々な視点からご紹介いたしました。
みずみずしい初夏の風情漂う半夏生には、ぜひ季節感を取り入れて素敵なひとときを楽しんでみて下さいね。
以上、「2019年半夏生はいつ?タコや餅など食べ物の習慣から花や季語としての魅力も紹介!」の記事を紹介しました。